こんにちは長崎県諫早市の歯医者 諫早駅前歯科です。
歯並びについて解説するシリーズも第4弾となりました。今回の歯並びはあまり悪い歯並びというイメージを持たれにくい歯並びの開咬です。
これまで解説してきた歯並びは【反対咬合】 【上顎前突】 【叢生】 です。これらの歯並びについて知りたい方はリンクから参照されてください。
目次
【開咬ってどんな歯並び?】
奥歯がしっかり噛んでいるのに前歯がかみ合わず隙間ができ口の中が見えるような歯並びのことを開咬(かいこう)と呼びます。
【開咬の原因は?】
開咬の原因は、遺伝的な要因、舌を前に出すような癖、指しゃぶり、毛布や鉛筆を噛むくせがあるなど、多岐にわたります。
【原因について詳しく】
開咬の主な原因は物理的な力が前歯に加わることで起こる歯の傾斜です。
舌を前に出す癖、舌で歯を押す癖、指しゃぶり、口呼吸などが、歯並びを徐々に変化させ、開咬を引き起こすことがあります。特に、舌を前に出す癖は、下顎を押し下げ、開咬を悪化させる可能性があります。
【開咬が引き起こす問題点】
開咬は、見た目の問題だけでなく、様々な健康問題や心理的な問題を引き起こす可能性があります。
長期にわたって開咬の状態が続くと、対人関係に影響が出たり、自己肯定感が低くなる可能性もあります。
発音の問題:
サ行、シ、ス、セ、ソなどの発音が困難になり、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。
唇を閉じにくいため、口笛を吹くことが難しいなど、口周りの機能が低下することもあります。
咀嚼機能の低下:
前歯で切ることができないため、奥歯に大きな負担がかかり、顎関節症の原因となることがあります。顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に痛みや違和感などが生じる病気です。
姿勢の変化:
口を常に開けて呼吸するため、舌が下あごに落ち込みやすく、姿勢が悪くなり、猫背になる人が多く見られます。猫背は、呼吸が浅くなり、肩こりや頭痛の原因となることもあります。
口腔内の乾燥:
口呼吸は、口の中を乾燥させやすく、虫歯や歯周病の原因となります。また、口臭の原因にもなることがあります。
見た目のコンプレックス:
歯並びが悪いことで、自信をなくし、人前で笑うことを躊躇してしまうことがあります。
心理的な影響:
長期にわたって開咬の状態が続くと、対人関係に影響が出たり、自己肯定感が低くなる可能性もあります。
【開咬の治療法】
開咬の治療は、歯並びの治療の中でも特に高度な技術を要するケースが多く、患者様や症例によって最適な治療法は異なります。
主な治療法
- ブラケット矯正: 歯の表面に装置を接着し、ワイヤーで歯を少しずつ動かしていく一般的な矯正治療法です。
- マウスピース矯正: 透明なマウスピースを交換しながら歯を移動させていく治療法で、見た目が目立ちにくいのが特徴です。
- 外科矯正: 骨格的な問題が大きい場合は、顎の骨を切る手術を併用することがあります。
- 機能訓練: 舌の癖や口呼吸の習慣がある場合は、機能訓練を行い、口腔機能の改善を図ります。
治療の難易度
開咬の治療が難しいとされる理由は、歯を動かす方向が複雑であったり、骨格的な問題を伴う場合が多いからです。また、反対咬合や上顎前突を同時に抱えているケースも多く、治療計画を立てる上で慎重な検討が必要です。
治療期間
治療期間は、患者様の年齢、歯並びの複雑さ、治療法などによって大きく異なります。一般的に、数年かかる場合が多いですが、早期治療であれば比較的短期間で治療を終えることができることもあります。
治療後の保定
矯正治療が終了した後も、歯が元の位置に戻ってしまうのを防ぐために、保定装置(リテーナー)を一定期間装着する必要があります。
【開咬の予防】
開咬は、幼少期からの悪い習慣が原因となることが多い歯並びの乱れです。早期に原因となる習慣に気付き、適切な対策を行うことで、開咬を予防することができます。
開咬の原因となる習慣
- 指しゃぶり、おしゃぶり: 指や物を口に入れることで、前歯が前に押し出され、開咬の原因となります。
- 口呼吸: 口で呼吸する習慣は、口周りの筋肉のバランスを崩し、開咬を引き起こすことがあります。アレルギー性鼻炎などが原因となる場合もあります。
- 舌の悪い癖: 舌を前に出す癖、舌で歯を押す癖など、舌の悪い癖は、歯並びに大きな影響を与えます。
- 飲み込む時の癖: 飲み込む際に舌を前に出す癖があると、下顎が後退し、開咬になりやすくなります。
開咬の予防法
- 悪い習慣の改善: 指しゃぶりや口呼吸など、悪い習慣を早期にやめさせることが大切です。
- 口腔機能療法: 歯科医院で、舌の正しい位置や飲み込む方法を指導してもらう口腔機能療法が有効です。
- 定期的な歯科検診: 定期的な歯科検診を受けることで、歯並びの変化に早期に気付き、適切な治療を開始することができます。
保護者の方へ
歯科医院に相談する: 歯並びが気になる場合は、早めに歯科医院にご相談ください。
お子さんの様子を観察する: お子さんが指をしゃぶったり、口を開けて寝ている様子がないか、注意深く観察しましょう。
【指しゃぶりについて】
指しゃぶりは乳児にとっては必要な行動で指しゃぶりを行うことで手を思った場所に動かすこと、舐めること、吸うこと、などの発達に役立つ行動です。しかし必要以上に続いてしまうと歯並びを変えてしまう悪い癖となってしまいます。
指しゃぶりをやめる時期は?
指しゃぶりは3歳になるまでは自然に任せておくのが良いとされています。この頃に指しゃぶりを無理やりやめさせようとするとそれ自体がストレスとなりなかなか指しゃぶりをやめにくくなってしまうこともあります。
指しゃぶりをやめるのに効果的な働きは”直接的に道具等でやめさせるのではなく本人の意思でやめるように働きかける”ことです。以下に指しゃぶりをやめる方法の例をいくつかご紹介いたします。
- 指しゃぶりを続けるとどのようになるか写真などを見せる
- 誕生日やクリスマスなど節目のタイミングを目標に一緒に頑張る
- 絵本や動画を使用する。
などがあります。
遅くとも歯並びに影響の出る前にはやめておいたほうがいいでしょう。
インスタグラムにも指しゃぶりに関する記事がありますので是非参考にされてください。
【まとめ】
開咬は、歯並びの乱れの一つで、前歯が噛み合わずに隙間が空いている状態を指します。遺伝的な要因や、指しゃぶりなどの癖が原因となることが多く、放置すると、発音の困難、咀嚼機能の低下、見た目のコンプレックスなど、様々な問題を引き起こす可能性があります。
開咬の治療には、ブラケット矯正、マウスピース矯正、外科矯正など、様々な方法があり、患者様の状態に合わせて最適な治療法が選択されます。早期に治療を開始することで、より良い治療効果が期待できます。
開咬を予防するためには、指しゃぶりや口呼吸などの悪い習慣を改善し、定期的な歯科検診を受けることが大切です。歯並びでお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。
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