こんにちは。長崎県諫早市の歯医者、諫早駅前歯科です。
フッ素を塗ったらどれくらい効くんですか?という質問をよくいただきます。
一度塗ればしばらく安心なのか、それとも毎日使わなければいけないのか。
実はフッ素の効き方にはちょっとしたコツがあるんです。

目次
フッ素は薬ではなく歯を強くする成分
まず知っておいていただきたいのは、フッ素は即効性のある薬ではなく、歯をじっくり強くしていくミネラル成分だということです。
フッ素は歯の表面で起きる再石灰化という働きを助けます。
食事やおやつの後、虫歯菌が作る酸によって歯の表面は一時的に溶けかけます。
このときにフッ素があると、歯の表面にカルシウムやリンが戻りやすくなり、酸に強いフルオロアパタイトという丈夫な層が作られます。
つまりフッ素の効果はその瞬間だけではなく、使い続けることで少しずつ歯を強くしていくというのが本来の仕組みです。
歯科医院で塗るフッ素の効果はおよそ3か月程度
歯医者さんで使用するフッ素は、家庭用の歯磨き粉よりも高濃度です。
歯科衛生士が歯に塗布するフッ素塗布剤は約9,000ppmという濃度で、国の指針でもおよそ2〜3か月間のう蝕抑制効果が持続するとされています。
ただし、これはフッ素が3か月間ずっと残っているという意味ではありません。
フッ素を塗ることで歯の表面に耐酸性のある構造ができ、酸に強い歯に変化していくため、その効果がしばらく続くということです。
定期検診のたびにフッ素を塗ることで、歯の表面を少しずつ育てるように強くしていくイメージです。
毎日の歯磨き粉のフッ素は積み重ねるタイプ
一方、毎日の歯磨きで使う歯磨き粉のフッ素濃度は1,000〜1,500ppm程度です。
高濃度ではないため、一度で長く効くわけではありませんが、毎日使うことで効果を積み重ねていくのがポイントです。
歯磨き後にはほんの少しのフッ素が歯の表面や唾液に残り、その微量なフッ素が時間をかけて再石灰化をサポートしてくれます。
とくに寝ている間は唾液の量が減り、フッ素が残りやすくなるため、就寝前の歯磨きがもっとも効果的とされています。
うがいは1回少量でOK
せっかくのフッ素、うがいで流れてしまわない?という声もあります。
実は完全には流れません。
歯の表面や歯垢の中に少し残り、それがじわじわと働き続けます。
日本小児歯科学会でも、フッ素入り歯磨き粉の後は5〜15mlの水で1回だけ軽くうがいする方法を推奨しています。
ごく少量の水でうがいをすることで、お口の中にフッ素が長くとどまり、効果を高めることができます。
子どもの歯はフッ素を吸収しやすい
乳歯や生えたての永久歯は大人の歯よりも柔らかく、フッ素を取り込みやすい性質があります。
そのため少量でもしっかり効果が出やすいのが子どもの歯の特徴です。
特に生えたばかりの永久歯は表面が未成熟で、虫歯になりやすい時期です。
この時期に定期的なフッ素塗布と、毎日のフッ素入り歯磨きを続けることで、歯の質を大きく変えることができます。
乳歯だから抜けるしそんなに慎重にならなくても大丈夫と思われがちですが、乳歯の健康状態はその後の永久歯にも影響します。
フッ素ケアは子どもの頃から始めるのが理想です。
効果を保つためのサイクル
| フッ素の種類 | 推奨頻度 | 効果の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 歯医者でのフッ素塗布(9,000ppm) | 3〜4か月ごと | 約2〜3か月 | 定期検診とあわせて |
| フッ素入り歯磨き粉(1,000〜1,500ppm) | 毎日(朝・夜) | 継続使用で効果維持 | うがいを少なめに |
| フッ素洗口:うがい液 | 1日1回 | 継続で虫歯予防率向上 | 6歳以上におすすめ |
このように塗る、磨く、うがいするを組み合わせると、フッ素の予防効果を最大限に発揮できます。
フッ素の効果を長持ちさせるコツ
- 定期的に歯医者さんで塗布する
- フッ素入り歯磨き粉を毎日使う
- 寝る前のケアを丁寧に行う
- 飲食の回数を減らし、酸の攻撃を減らす
この4つを習慣にすることで、フッ素の働きを長く持続させることができます。
フッ素は一度ではなく積み重ね
一度塗れば数か月安心ではなく、フッ素は続けるほど歯を強くするトレーニングのようなものです。
歯医者さんでの塗布で基礎をつくり、毎日の歯磨きでその効果をつないでいく。
それが虫歯になりにくい歯を育てる一番の近道です。
お子さんも大人も、フッ素を上手に取り入れて、一緒に虫歯ゼロを目指しましょう。
長崎県諫早市永昌東町16-28 2階
医療法人 夢昂会 諫早駅前歯科
📞 電話番号 0957-46-7700
インスタグラムや公式ラインからの相談もお待ちしております。









