こんにちは長崎県諫早市の歯医者 諫早駅前歯科です。
毎日寝る前の最後の戦い——仕上げ磨きについてのお話です。

大切なお子さんの可愛い歯を虫歯にしないために、パパやママは毎日一生懸命仕上げ磨きをしています。ところが、そんな気持ちはなかなか伝わらず、「いやーーー!」と泣き叫んで歯磨きをさせてくれない…。そんなお悩みを抱えるご家庭は決して少なくありません。
当院には多くの小さなお子さんが通っています。そこで今回は、歯科医としての知識に加え、パパママから伺ったリアルな声や私自身の体験を踏まえながら「仕上げ磨きをスムーズに続けるコツ」をまとめました。
目次
仕上げ磨きは本当に必要?
乳歯はどうせ生え替わる、と油断されがちですが、実は将来の永久歯の質や歯並びに大きく影響します。虫歯になると痛みで噛む力が弱まり、顎の発育や食習慣にも影響が出るため、乳歯こそ丁寧なケアが必要です。目安としては「小学校低学年までは毎日の仕上げ磨き」が基本。ただし年齢よりも「自分でしっかり磨き残しをゼロにできるかどうか」が判断基準になります。
仕上げ磨きはいつまで?
- 就学前
毎日仕上げ磨き+フロスが必須 - 小学校低学年
2日に1回の仕上げ磨き、毎日奥歯チェック - 小学校高学年〜中学生
月1回の「親子磨きチェックデー」を設ける
※矯正治療中は中学生以降もサポートを
「奥歯の溝を自分で磨けるようになるまで」がゴールの目安です。
仕上げ磨きにオススメの歯磨きグッズ
仕上げ磨き専用の歯ブラシは、年齢にかかわらず「親が扱いやすいこと」と「確実に汚れを落とせること」が最優先です。理想は、指1本分ほどのコンパクトヘッドで、毛はやわらかめ〜ふつうのナイロン毛。柄が長めで細身だと奥歯まで届きやすく、手元がブレにくいので磨き残しをチェックしやすくなります。毛先は丸く加工されているものを選ぶと、歯ぐきを傷つけにくい点でも安心です。
補助的なケア用品としては、奥歯の隙間に入りやすいY字タイプのフロスやホルダー付きフロスがおすすめです。歯と歯の間の食べかすを取り除くだけでなく、ブラシが届きにくい溝のプラークも効率よく除去できます。
一方で、ラバー(シリコン)製ブラシは「噛む練習」や「お口慣れ」の目的には役立ちますが、毛にコシがないためプラーク除去力は弱く、仕上げ磨きには不向きです。仕上げ磨きは必ずナイロン毛ブラシ<を使い、シリコン製ブラシは遊び要素やトレーニング用に留めましょう。
お子さん自身が使う練習用の歯ブラシは年齢によって持ちやすい形状や安全機能が異なりますが、仕上げ磨き用のブラシは「親の磨きやすさ」を基準に1種類を共通で使って問題ありません。ご家庭で1本、お出かけ用に1本と、常に清潔な状態でストックしておくと安心です。
子どもが仕上げ磨きを嫌がる主な理由
- 口を開けるのが怖い
- くすぐったい・痛い
- もう眠い・遊びたい
- 苦い歯磨き粉の味が嫌
- 口を開ける時間が長い
泣く=親への拒否ではなく「不快サイン」。まずは痛くない・楽しい体験を重ねることが大切です。

仕上げ磨きをスムーズにする7つの工夫
- タイミングを固定
寝る直前より、絵本の読み聞かせ前などリラックス時間がおすすめ。まだ眠くなる前がオススメ! - 明るい場所で
リビングで磨くと手元がよく見え、子どもも安心。 - カウントダウン法
「10秒だけ口を開けよう」と短時間で区切る。 - オリジナルソング
歯ブラシを音楽に合わせて動かすとリズムで楽しく。 - ご褒美カレンダー
磨けた日にシールを貼り達成感を見える化。 - 交代制
ママ・パパが交互に担当してマンネリを防ぐ。
歯磨きが楽しくなる推しグッズ 5選
カラフルでかわいい歯ブラシ&歯間ブラシ
動物や乗り物の柄が付いたコンパクトヘッドの歯ブラシは、握るだけでワクワク気分。奥歯の隙間にはカラフルなY字フロスを合わせれば、お口の中が“カラフル探検ツアー”に早変わりします。歯磨きしよう!ではなくて今日は何色にする?の声かけで、仕上げ磨きへのハードルがぐっと下がります。
ポケモンスマイル(スマホアプリ)
歯みがきをするとスマホ画面にピカチュウやイーブイが現れ、磨くたびにポケモンをゲットできる無料アプリ。鏡がわりに画面を見ながら磨くので口を大きく開けやすく、タイマー機能で「あと少し!」とゲーム感覚で続けられます。親子で図鑑をコンプリートするのも楽しい目標に。歯磨き中の写真も残せていい思い出になります。
フルーツフレーバーのフッ素ジェル歯みがき粉
ストロベリー・ミント・オレンジなどな甘い香りが広がるジェルタイプ。フッ素濃度は900ppmで、うがいの難しい年齢でも泡立ちが控えめなので安心です。「今日はどの味にする?」と選ばせるだけで主体的に口を開けてくれるようになります。
歯みがき応援絵本
『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』『はみがきあそび』など、リズムに合わせてブラシを動かすストーリー仕立ての絵本がおすすめ。仕上げ磨き前に読み聞かせをすると“自分もやりたい!”という気持ちが自然に芽生え、磨き時間がスムーズにスタートします。
キャラクター付き歯ブラシ
他の歯ブラシとは違う自分だけの特別な歯ブラシ。噛んで毛先が広がってしまうともう使えなくなってしまいます。歯ブラシを噛まずに上手に磨けるようになるかもしれません。
―――
ゲーム・絵本・カラフルグッズを組み合わせると、歯磨きタイムは「親子の遊び時間」へ早変わり。今日から1つ取り入れて、仕上げ磨きをもっと楽しく続けてみてくださいね。
どうしても上手くいかないときは?
「奥歯が見えない」「フロスを怖がる」など困ったら、無理に続けず一度プロに相談しましょう。定期検診では歯科衛生士が磨き方を実演し、親御さんにも体験していただけます。
よくある質問
Q. 歯みがき粉は必要?
A. お子様の歯磨き粉の目的は虫歯になりにくくする歯を作ること。歯磨き粉が苦手でつけれない場合にはなくてもいいです。歯磨き粉に含まれるフッ素の力で虫歯予防の効果がUPします。
Q. 泣き続けても磨くべき?
A. 小さな頃から根気強く行うことでお子様もわかってくれます。毎日少しづつでも仕上げ磨きを頑張ってみてください。いつか泣かない時が来てくれます。眠たくて疲れのピークの時ですが感情的になることだけ気をつけてください。
まとめ
- 奥歯の溝が自分で磨けるようになるまで仕上げ磨きは続ける
- 歯ブラシやフロスは年齢・用途で使い分ける
- 嫌がる理由を理解し、環境やタイミングを工夫
- グッズや声かけを活用して“楽しい時間”へ変える

仕上げ磨きは「親子のスキンシップ」。忙しい日でも1日1回、愛情たっぷりのケアを続けてみてください。諫早駅前歯科は頑張るパパママをこれからも全力で応援します。