インプラント治療

インプラントとは、歯を失ってしまった部分に、チタン製の人工の根っこを埋め込み、その上にセラミックなどの人工の歯を装着する治療法です。

歯を失った場合の治療法

歯を失った場合は大きく分けて3つの方法で歯を作っていきます。

1.ブリッジ

歯を失った際に、両隣の歯を削って歯がなくなった部分と一体となった被せものを作る方法です。
隣の健康な歯を削る必要があることと、装着後にも両隣の歯に負担がかかってきます。
例えば1本歯を失った場合、前と後ろの歯を削り、3本分の噛み合わせの力を2本分で支えるために、それぞれの歯には通常の1.5倍の力がかかります。


2.入れ歯

型どりをして入れ歯を作り装着する方法です。
入れ歯を固定するための針金が見え、審美的にほかの方法に劣ります。
また装着時の違和感が強い場合があり、歯ぐきが痛んだりする場合もあります。


3.インプラント

インプラントの場合はあごの骨と固定を行うため両隣の歯に負担がかかることがなく、歯の寿命を縮めることを防ぐことができます。
また普通の歯と同じように噛むことができ、違和感もありません。



しかし、インプラントにもデメリットがないわけではありません。
医学的なデメリットはありませんが、どうしても外科手術となり、患者様には心理的な不安もあるようです。

インプラントのメリット

主なメリット

インプラントの噛む力は天然歯とほぼ同じです。硬い食べ物でも問題なく噛めます。入れ歯の場合は普通の歯に比べかむ力は30%程になると言われています。

見た目が美しい

インプラントは見た目は普通の歯と同じです。

残っている歯にやさしい治療

周りの歯を削ったり、負担をかけなりしないので、残っている歯に優しい治療といえます。

インプラントのデメリット

手術が必要

インプラントの埋め込みの時に手術が必要となります。
通常普通の歯科治療と同じ局所麻酔下で行います。

体質や病気の有無で治療ができない場合がある

重度の心臓病、肝臓病、糖尿病の方、感染症のある方は治療ができない場合があります。
また歯周病などでインプラントを埋める骨が著しく少ない場合はインプラントを埋めることが出来ない場合もあります。

費用がかかる

インプラントは保険がききません。自費治療になります。

治療期間が長い

ブリッジや入れ歯より治療期間がかかります。
インプラント埋入の手術の後は骨とインプラントがくっつくまでに3ヶ月ほど期間を開けます。
通常のインプラント治療は6か月ほどかかります。


人が噛み合わせを行う時に歯には大きな力がかかっています。成人でだいたい50~60㎏の力がかかっていると言われています。ブリッジをつくると1本あたりにかかる荷重は通常の場合の約1.5倍になります。
さらにブリッジを作る場合は歯の全周を削る必要があり、噛み合わせの力を支える強度が弱くなります。この歯がだめになってしまうと、さらに広い範囲のブリッジに作り直さなければなりません。

入れ歯は歯にかかる負担は比較的少ないのですが、違和感やしゃべりにくい感じが出る場合があります。また年齢が若い方は心理的にも入れ歯に対して抵抗があるようです。

インプラント治療は独立した歯をあごに埋めるため、残っている健康な歯への負担が増加することはありません。また普通の歯と同じように噛めるので、違和感や噛みにくい感じが出ることはありません。


インプラント治療は以前からある治療でしたが、最近はさらに技術が進歩し、歯科治療では歯を抜いた時の有効で成功率が高い治療法として確立されています。
従来のインプラントは、全材質がチタンで作られているチタン製のインプラントが主流でした。

しかし、現在当院では新しくHAインプラントというものを使用しています。
HAインプラントとはインプラントのチタンの表面にハイドロキシアパタイトという骨や歯にも含まれるがついており、これによりインプラントを埋めたときの骨との結合が強く、確実に行えます。


抜歯後に骨が少なかったり、もともと骨の組織がやわらかい場合はインプラントの骨との結合が起こりにくく、うまくくっついても長期に安定がしにくい場合がありました。そういう場合でもHAインプラントは埋めて骨との結合が安定して行えます。
また、当院では歯科用のCTを使用してインプラント治療を行っています。
インプラント治療ではインプラントを埋め込む位置、角度が非常に重要で、予後に大きくかかわってきます。歯科用CTではあごの骨の立体的な画像を作ることができ、またあごの骨の密度も計測することが可能です。
通常のレントゲン検査では診れないような詳細な情報が得られ、インプラント治療の成功率の向上に役立ちます。

上の顎には上あごの骨の中に上顎洞という空洞があります。また下の顎には下顎管という太い神経があります。空洞や神経の部分にはインプラントを埋めることが出来ないのでその部分を避けてインプラントを埋める必要があります。そういうことを防ぐためにもCT撮影を行うことが重要です。

当院では専用のインプラント用のソフトがあり、それを使用することでパソコン上でインプラント埋入を行うことができます。実際はパソコン上で埋めた位置にインプラントを実際に埋めていくことになります。
(CT撮影時のあごの骨の状態によってはインプラント治療自体ができない場合があります。また広範囲のインプラント治療が必要な場合、当医療法人夢昂会の本院諫早ふじた歯科矯正歯科に紹介になる場合があります)

インプラント治療の流れ

1. 問診

現状の状態やインプラントの希望などをお尋ねします。


2. 口腔内検査、写真撮影、CT撮影

虫歯や歯周病、今の骨の状態などを検査します。
虫歯や歯周病があるとインプラントの予後に影響を与えるので、多くの場合はほかの歯の治療が必要になります。
インプラント予定部分に歯がまだ残っている場合は抜歯を行い、骨の治りを待ちます。


3. CTシミュレーション

再度CT撮影を行い、CTデータを専用のソフトに入れてパソコン上でインプラント埋入をシュミレーションします。
結果を説明し、同意を頂けたらインプラント手術の注意事項やインプラント治療のリスクについて、ご説明します。


4. 1次手術

人工の歯の根っこ(インプラント)を顎の骨に埋め、縫合します。
通常使う麻酔は通常の歯科治療で使用する局所麻酔で行います。


5. 2次手術

麻酔をした後で2次オペを行います。
2次オペでは、入れたインプラントの上に器具を取り付け、お口の中にインプラントの上部を一部出すようにします。


6. かたどり

インプラントの上部に仮歯を付け、その後型どりを行います。


7. 人工歯装着

インプラントの上に完成した人工の歯を装着します。