こんにちは、長崎県諫早市の歯医者、諫早駅前歯科です。
「シーラント」という言葉を初めて聞いた、という方も少なくありません。特別な治療のように感じるかもしれませんが、実際は奥歯の溝に薄い樹脂を流し込み、汚れが入り込みにくくする予防処置です。歯を削らず、痛みもほとんどありません。雨の日にコートを一枚羽織って汚れをはじく――そんなイメージに近い方法です。

目次
虫歯予防の土台は三つの柱
飲食回数を整える
砂糖を含む飲み物やおやつをだらだら摂ると、口の中が酸性の時間が長くなり、歯が溶けやすくなります。時間を決めて食べること、水やお茶を基本にすることだけでもリスクは下がります。
プラークコントロールを習慣にする
プラークは細菌のかたまりで、こすらない限り落ちません。奥歯の噛む面の溝、頬側の段差、下の奥歯の舌側の歯ぐき沿いは特に磨き残しが起きやすい場所です。年齢に合った歯ブラシと少量のフッ素入り歯みがき剤でていねいに磨き、歯と歯の間は毎日のフロスで仕上げましょう。仕上げみがきが必要な年齢では大人のサポートが要になります。
フッ素を上手に取り入れる
フッ素はエナメル質を強くし、初期の虫歯の進行を抑えます。毎日の歯みがきに加え、歯科医院での塗布や年齢に合わせた洗口など、生活に無理なく組み込みます。濃度や頻度は年齢とリスクで調整します。
歯磨き粉のフッ素に関してはこちらの記事を参照されてください
シーラントとはどんな治療?
奥歯の噛む面には小さな溝が複雑に入り組んでおり、毛先が届きにくいため虫歯が始まりやすい場所です。シーラントはこの溝に樹脂を流し込み、光で固めて表面をなめらかに整えます。食べかすや細菌が入り込みにくくなり、清掃もしやすくなります。麻酔は不要で、短時間で終わるのが一般的です。
シーラントの処置の流れ
- 溝のクリーニングを行い、汚れを取り除く。
- 樹脂が付きやすいよう表面を処理する。
- 溝へシーラント材を流し込む。
- 光で硬化させる。
- 噛み合わせを確認し、必要に応じて微調整する。

永久歯が「最初に」虫歯になりやすい場所
・上の前歯の歯と歯の間:見た目に変化が出にくいのに磨き残しが起きやすく、甘い飲み物の影響を受けると進行が速いことがあります。
・奥歯の噛む面の溝:毛先が入りにくく、食べ始めてすぐ汚れがたまりやすい要注意ゾーンです。
・奥歯の歯と歯の間:フロスを使わないと汚れが残りがちで、気づいた時には広がっていることがあります。
シーラントが直接守れるのは「奥歯の溝」です。上の前歯の間や奥歯の間は、フロスと飲食回数のコントロール、そしてフッ素で守りましょう。
シーラントの「推奨される時期」
生えたての歯は未成熟で酸に弱く、シーラントの予防効果が高まります。次のタイミングを目安にご相談ください。
・第一大臼歯(いわゆる六歳臼歯):六歳ごろから萌出。生え始めは唾液で濡れやすく処置が難しいこともありますが、清掃と乾燥が保てる時期を見計らって早めに実施すると効果的です。
・第二大臼歯:十一〜十三歳ごろ。部活動や間食の機会が増える時期と重なるため、萌出を確認したら早期に検討します。
・乳歯:溝が深く磨きにくい場合は対象になります。仕上げみがきが難しい年齢のお子さんにも有効です。
・ハイリスクの方:矯正中で磨きにくい、溝の虫歯が多い既往がある、甘い飲食の回数が多いなどの場合は年齢にかかわらず検討します。

定期チェックが必要な理由
シーラントは経年で端がすり減ったり欠けたりすることがあります。縁が欠けたまま放置すると、そこから汚れが入り込みやすくなります。定期検診では密着状態、欠けや脱離の有無、周囲の初期虫歯を確認し、必要に応じて追加や再コーティングを行います。お子さんは三〜四か月ごとの受診が目安です。学校健診で指摘があった場合も早めの受診が安心です。
よくある質問
Q. 痛みはありますか。歯は削りますか。
A. 基本的に削りません。痛みもほとんどありません。
Q. どれくらい持ちますか。取れたらどうしますか。
A. 噛みしめや清掃状態で差があります。欠けや脱離があれば補修や再コーティングが可能です。
Q. シーラントをしたらフロスやフッ素は不要ですか。
A. いいえ。予防の主役は日々の習慣です。シーラントは奥歯の溝を守る補強であり、フロスとフッ素は続けましょう。
Q. 費用や時間はどのくらいですか。
A. 本数や条件で異なります。保険診療で行う治療となります。処置は短時間で終わるのが一般的です。
まとめ
虫歯予防の土台は「飲食回数を整える」「プラークを落とす」「フッ素を続ける」の三つです。その上で、奥歯の溝をシーラントで守ると、永久歯が最初に虫歯になりやすい部位の一つである噛む面を重点的にカバーできます。上の前歯の間と奥歯の間はフロスと飲食のルールで守り、奥歯の溝はシーラントと日々のケアで守る。この役割分担を理解して続けることが、将来の治療を減らす近道です。
「うちの子にシーラントは必要か」「いつ頃がよいか」と迷う時は、定期検診でお気軽にご相談ください。お口の状態と生活習慣を拝見し、その方に合った最適な予防計画をご提案します。
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