こんにちは長崎県の歯医者 諫早駅前歯科です
前回の記事では歯周病って何?どんな病気?と言うところの解説を行いました。
今回は歯周病にならないために行う予防と歯周病になってしまったらどうする?という治療法についてお話しします。
目次
【歯周病の予防法】
歯周病の原因は大きく分けて2つです
- 細菌のかたまりである”プラーク”
- 歯ぎしりや食いしばり、歯並びの不調和によるかみあわせなどの噛む力の影響
これらの原因を対処することで歯周病の予防となります。
歯周病の予防とプラーク
歯周病の原因となるプラークは歯茎の近くに存在するプラークです。ですので歯茎の近くにいるプラークや歯と歯茎の中にいるプラークを取り除くことが歯周病の予防の一つです。
歯周病予防のためのプラークを取り除く方法は
- 歯ブラシによるブラッシング
- フロス(糸ようじ)によるフロッシング
- 歯間ブラシによるブラッシング
- 歯医者さんで行うスケーリング
があります。歯ブラシ、フロス、歯間ブラシはみなさんがご自身でできるケア、ホームケアと呼ばれます。それぞれの道具を上手に使用することで歯周病の予防はできるのですが見えない自分のお口の中の小さい歯のそばにある見えない歯茎の中のプラークを道具で取り除く必要があります。
正しくホームケアを行うことはとても難しく方法や使用する道具を誤ると歯周病の予防どころか悪化させてしまうこともあります。
ホームケアのコツは2つ
- どこを磨いているのかをイメージすること
- 正しい道具の使用方法を知ること
です。
歯ブラシによる歯周病予防
歯ブラシによる歯周病予防の代表的な磨き方はバス法と呼ばれる磨き方です。歯周病の原因となるプラークが存在する歯と歯茎の間を狙って磨く磨き方です。
バス法による歯磨きの仕方
- 歯と歯茎の間に向かってブラシを歯に対して45度の角度で当てます
- 45度の角度を保ったまま軽く小刻みに横に動かします
磨く際に力が強すぎたり動かす範囲が大きすぎたりすると歯茎を傷つけてしまいますので要注意です。
フロス(糸ようじ)による歯周病予防
フロスは歯と歯の間を磨くというイメージが強いですが歯と歯茎の間を磨くのにもってこいの道具です。
フロスによる歯周病予防の方法
- ノコギリのようにフロスを動かしながら歯と歯の間の狭いところを通過します
- 歯に沿って歯茎の中までそーっとフロスを入れます
- フロスで歯を拭き上げるように汚れを取り除きます
歯茎の中は少し腫れていたりすることがあるので痛みを伴う場合があります。また歯の根っこの部分を触ることもあります。歯の根っこは触れるとしみやすい構造になっているのでフロスでの清掃の際にしみたり痛みを感じることもあります。とても我慢強い人は別ですが痛くしすぎなければやりすぎて歯茎を傷つけてしまうことはないと思われますのでフロスでの歯周病予防の際には自分に優しく清掃を行ってください。
歯間ブラシによる歯周病予防
歯ブラシやフロスではなかなか触ることのできない部分を清掃できる道具が歯間ブラシです。
歯と歯の間の側面は少し窪んだ形をしており歯ブラシはもちろんフロスでも磨きにくい場所です。
歯間ブラシの使用方法
- 歯と歯の間の隙間のところに横からブラシを挿入する
- 歯に沿って角度を変えながら動かす
歯間ブラシには様々なサイズがありそれぞれ場所にあったサイズがあります。1人のお口の中でもハト派の間の隙間の大きさはそれぞれ異なりますので全てのサイズを揃えるのはとても大変です。ご自身が最も使いやすいサイズの歯間ブラシを見つけることがとても大切です。
歯医者さんでのスケーリング
歯医者さんで行う歯石を取り除く治療のことをスケーリングと呼びます。歯石とは細菌のかたまりであるプラークが唾液成分と反応し硬くなったもののことです。プラークは多量でなければ歯磨きでのブラッシングで取り除くことができますが歯石となると歯磨きでは取り除くことはできません。
スケーリングは歯石だけでなく歯茎の中に溜まったプラークも取り除くことができるので歯周病の予防となります。
歯周病の予防と歯並び
重なっている歯があることや抜けた歯があるなど歯並びに不調がある場合には歯周病のリスクが上がります。その要因はホームケアの難易度が上がること、噛み合わせが悪くそれぞれの歯の負担の大きさのバランスが悪いことがあります。歯並びが気になっている人や歯磨きがしにくいなと感じている人は歯並びを整える矯正治療をお勧めします。
【歯周病の治療法】
歯周病の症状は4つに分けられます。
- 歯茎が腫れる
- 歯茎から血が出る
- 歯がグラグラする(動揺する)
- 口臭がする
これらを改善させ再発を防ぐことを目的として歯周病の治療は行われます。
歯周病の治療は3つのことを行ってます
- プラークなどの細菌を減らす
- プラークがつきやすい状況を改善する
- 噛み合わせを整える
歯周病の治療法
- ホームケア
- スケーリング・SRP
- フラップ手術
- 抜歯
- 被せ物を作る(補綴ほてつ)
- SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)
歯周病の治療としてのホームケア
お口の中の細菌を減らすことが目的の治療です。
最も多い機会のあるのがホームケアです。1ヶ月に1度歯医者さんで歯周病の治療を行っても他の29日はご自宅でのホームケアが行われます。歯医者さんでどんなにいい治療を行なってもホームケアができていないと効果がないばかりか逆効果になってしまう場合もあります。歯周病の主治医は2人いるとも言われます。歯医者さんでホームケアについて学び名医となるように頑張りたいです。
歯周病の治療としてのスケーリング・SRP
歯周病の治療を行う際にまず初めに行う治療法です。細菌の除去とプラークのつきやすい状況を改善することが目的の治療法です。専用の器具を使用し歯石、プラーク、悪くなった歯茎(不良肉芽)を除去します。歯石はプラークの塊でそれ自体が歯茎を傷つけるだけではありません。プラークの住処ともなるのが歯石です。主に歯科衛生士さんが行うスケーリングやSRPによってプラークを減少させプラークのつきにくいホームケアの行いやすいお口をめざす治療です。
歯周外科治療
スケーリングやSRPで歯周ポケットの中の歯石を除去するのですが歯周ポケットが深すぎるとなかなか取り除くことが困難となります。そのような場合に行うのが歯周外科手術です。歯茎を切開し骨と歯、歯石を直視できるようにしクリーニングを行います。歯周外科手術を行うと歯石や不良肉芽は綺麗に無くなり歯茎が引き締まります。その結果歯磨きがしやすくなるのですが歯が長く見えたり歯がしみたりという症状が出る方もいます。
抜歯
抜歯も歯周病の治療の一つです。抜歯はプラークなどの細菌を減らす、プラークがつきやすい状況を改善する、噛み合わせを整えるの全てを行う治療法です。抜歯が必要となる歯はグラグラしていて歯磨きがしにくく歯石が多くついていることがよくあります。また、もともとの位置から移動している場合もよくありますので噛み合わせが変化している場合もあります。できるだけ歯を抜きたくないというのは私たちも患者様も同じ思いであると思いますが抜歯が必要な歯が引き起こすデメリットが大きい場合には抜歯を勧めさせていただいています。
被せ物を作る(補綴)
歯が抜けた後に作るブリッジや入れ歯なども歯周病の治療の一つです。歯が抜けると両隣の歯は傾き反対側の歯は出てきます。そのように周囲の歯に変化が起こると噛み合わせに不調をきたし歯周病の悪化につながります。歯が抜けても問題なく食事ができている場合にも抜けた歯の部分には入れ歯やブリッジ、インプラントなどで歯を補って上げることをお勧めしています。
SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)
歯周治療が終了した後に行う治療で落ち着いてきた歯周病の状態を安定させるための治療法です。定期検診の際に行われていることが多い治療法です。ホームケアは重要ですがどうしても磨ききれない部分が出てしまいますので磨けていない部分をチェックしリセットするような定期的なSPTは効果的な歯周病の治療法です。
【歯周病で抜歯とならないために】
歯周病は、歯周ポケットにたまったプラーク(歯垢)の中の細菌によって引き起こされる病気です。放っておくと歯を支えている骨が溶けてしまい、最終的には歯を失う原因になります。
歯周病を予防するためには、毎日の丁寧な歯磨きが大切です。 歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使い、歯と歯の間や歯茎の際も丁寧に清掃しましょう。歯科医院での定期的な検診も、歯周病の早期発見・早期治療につながります。
歯周病になってしまった場合は、歯科医院での治療が必要です。 スケーリングやルートプレーニングといった専門的なクリーニングを行い、歯周ポケットの中の歯石やプラークを除去します。状態によっては、外科治療や歯周組織再生療法が行われることもあります。
歯周病は、一度かかってしまうと完全に治すことは難しい病気です。 しかし、適切な治療と毎日の丁寧な口腔ケアによって、病状の進行を止め、歯を長く健康に保つことができます。
歯周病の予防は、全身の健康にもつながります。 歯周病は、糖尿病や心臓病などの全身疾患との関連性が指摘されており、早期の治療が大切です。
諫早駅前歯科では、患者様一人ひとりの口腔の状態に合わせて、最適な治療計画を立て、歯周病の予防・治療を行っています。 歯周病でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。