こんにちは長崎県諫早市の歯医者 諫早駅前歯科です。
先日、定期検診に来られた患者様から「最近お口の中がネバネバして気持ち悪いです」というご相談を受けました。
お口の中がネバネバするのは、単なる不快感があるだけでなく、様々な口腔内のトラブルのサインかもしれません。今回は、このネバネバの原因や、放置した場合のリスク、そして具体的な対策について詳しく解説していきます。
目次
なぜ口の中はネバネバするの?
口の中がネバネバする原因は様々です。代表的な原因としては、以下のものが挙げられます。
唾液の成分の変化
唾液には2種類あるというのをご存知でしょうか?ネバネバしている粘稠性(ねんちょうせい)の唾液とサラサラしている漿液性(しょうえきせい)の唾液です。加齢やストレスなどにより、粘稠性唾液の割合が増加し、漿液性唾液の割合が減少する傾向があります。これは、唾液腺の機能低下や、唾液中のタンパク質成分の変化、自律神経の働きが原因と考えられています。
細菌
お口の中には虫歯菌や歯周病菌など様々な細菌が存在します。これらの菌は歯を溶かす虫歯や骨を溶かす歯周病を引き起こすのですが唾液中に溶け出す細菌の量が多くなってくるとお口がネバネバしたように感じてきます。
口腔乾燥
鼻炎や歯並び、口腔周囲筋が弱いことが原因で口呼吸になっている人や多くの種類のお薬を飲んでいる人、リウマチや糖尿病などの全身疾患にかかっている人などはお口全体が乾く口腔乾燥担っていることがよくあります。口腔乾燥になるとお口の中が乾いた状態となるためネバネバ感を感じることがあります。特に口角の部分や唇と歯の間の部分にネバネバ感を感じることが多くそのネバネバを解消するために舌をよく動かしていたり口を手で拭う動作が癖になっている人が見られます。
舌苔
舌の表面に白い苔のようなものが付着する状態を舌苔といいます。舌苔は、お口全体の細菌の量が多くなることや舌の動きが少ないことが原因で起こり、口の中がネバネバしたり、口臭が気になったりする原因となります。
口のネバネバを放置するとどうなる?
口のネバネバは様々なトラブルの予兆であることがあります。放置すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
口臭
口の中の細菌が増殖し、口臭が強くなります。
歯周病
歯周病の原因となる細菌が増殖し、歯を失う可能性があります。
虫歯
口の中の酸性度が高まり、歯の表面が溶けて虫歯になるリスクが高まります。
味覚障害
唾液の減少により、味を感じにくくなることがあります。
誤嚥性肺炎
誤って食べ物を肺に吸引し、肺炎を起こす可能性があります。
口のネバネバ対策
主な口のネバネバの原因は細菌と口腔乾燥です。これらの原因に対する対策をご紹介いたします。
細菌に対する対策
口の中の細菌は、歯垢(プラーク)や舌苔の中で繁殖し、ネバネバ感や口臭の原因となります。これらの細菌を減らすための対策は以下の通りです。
1.徹底した口腔清掃
正しい歯磨き
ネバネバ感の原因となる細菌がいるのは歯と歯茎の間の歯周ポケットと呼ばれる部分です。歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに振動させながら丁寧に磨きます。他にも奥歯の裏側、歯並びの悪い箇所は磨き残しが多い部分ですので念入りに磨きましょう。
歯間ブラシ・デンタルフロスの使用
歯ブラシだけで落とせる歯についた汚れは60%ほどと言われています。残り40%の落としきれない歯と歯の間の汚れを効果的に除去するためには歯間ブラシやフロスが必要です。歯間ブラシは歯と歯の隙間に合ったサイズを選び、デンタルフロスは歯と歯の間を優しく滑らせるように使用します。どちらの器具も使用方法を誤ると歯茎を傷つけてしまい逆効果になることもありますので使用方法をレクチャーしてもらうことをお勧めします。
舌の清掃
舌ブラシや舌クリーナーを使って、舌の表面に付着した舌苔を優しく取り除きます。強くこすりすぎると舌を傷つけるため、注意が必要です。
殺菌作用のある洗口液(マウスウォッシュ)の使用
適切な洗口液の選択
細菌の繁殖を抑える殺菌成分(例:塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン(CHX)など)が含まれた洗口液を使用することで、口の中の細菌数を減らすことができます。ただし、アルコールが含まれている洗口液は乾燥を招くことがあるため、ノンアルコールタイプを選ぶか、使用頻度を控えめにするのが良いでしょう。
洗口液の使用方法
洗口液は、歯磨き後や就寝前などに使用すると効果的です。使用方法については、製品の説明書をよく読んで正しく使用しましょう。
マウスウォッシュに関して詳しく知りたい人は前回の記事に書かれていますのでそちらも読んでみてください。
歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
歯科衛生士による専門的なクリーニングで、歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石を徹底的に除去します。バイオフィルム(細菌の塊)も除去できるため、細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
歯周病治療
歯周病が原因で細菌が増殖している場合は、歯周病治療が必要です。歯周ポケットの清掃や、必要に応じて外科的な治療が行われます。
乾燥に対する対策
唾液の分泌量が減少すると、口の中が乾燥し、ネバネバ感を感じやすくなります。乾燥を防ぐための対策は以下の通りです。
こまめな水分補給
一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに水分を補給することで、口の中を常に潤った状態に保つことができます。
加湿器の使用
特に乾燥する季節は、加湿器を使用して部屋の湿度を保つことが効果的です。
唾液腺マッサージ
耳下腺、顎下腺、舌下腺などの唾液腺を優しくマッサージすることで、唾液の分泌を促進することができます。
生活習慣をみなおしてネバネバ対策
口呼吸の改善
口呼吸は口腔内の乾燥を招きます。意識して鼻呼吸をするように心がけましょう。鼻の病気などで鼻呼吸が難しい場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
禁煙・節酒
喫煙や過度な飲酒は、唾液の分泌を抑制し、口腔内の乾燥を悪化させます。
ストレスの軽減
ストレスは自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌に影響を与えることがあります。適度な運動や趣味などでストレスを解消するように心がけましょう。
口腔保湿剤の使用
保湿ジェル・スプレー
口腔乾燥が気になる場合は、保湿ジェルやスプレーを使用することで、口の中を直接潤すことができます。ヒアルロン酸やグリセリンなどの保湿成分が含まれている製品を選ぶと良いでしょう。
保湿用マウスウォッシュ
保湿成分が含まれたマウスウォッシュを使用することで、口の中を潤しながら細菌の繁殖を抑えることができます。
食事の工夫
よく噛んで食べる
よく噛むことで唾液の分泌が促進されます。硬いものや繊維質の多いものを積極的に食べるように心がけましょう。
酸味のある食べ物を適度に摂る
レモンや梅干しなど、酸味のある食べ物は唾液の分泌を促す効果がありますが、摂りすぎると歯を溶かす可能性があるため注意が必要です。
お口のネバネバ解消のポイントはご自宅での歯磨き
口のネバネバは、放置すると様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、早めに原因を特定し、適切な対策を行うことが大切です。
もし、口のネバネバが気になる場合は、一度歯科医院を受診することをおすすめします。歯科医師は、口腔内の状態を詳しく診察し、原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
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