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早口言葉で「食べる力」を底上げ!―― 介護現場で今日から使える嚥下トレーニング完全ガイド ――

こんにちは、長崎県諫早市の歯医者 諫早駅前歯科です。
通院が難しい方にも“食べる楽しみ”をあきらめてほしくない――そんな思いから、当院は訪問診療で誤嚥性肺炎の予防を目的に口腔・嚥下機能を守るリハビリを行い、いつまでも安心して食卓を囲める暮らしをサポートしています。今回はその一環としておすすめしている〈早口言葉トレーニング〉を徹底解説。毎日5分、声を出して笑うだけで“むせにくく安全に食べられる力”を育てる方法をお届けします。

「飲み込むたびにむせる」「食事が長引いて疲れる」──要介護者の食事介助でよく聞く悩みですが、加齢や疾患で弱った口腔・嚥下機能は、わずか数分の声出しでも鍛え直せます。道具もお金も不要、しかも楽しい。この記事では、早口言葉がなぜ効果的なのか、具体的なやり方、安全に続けるコツまでを丸ごとご紹介します。

諫早 嚥下 介護

なぜ早口言葉が嚥下リハビリになるのか

私たちが食べ物を飲み込むとき、唇・舌・頬・軟口蓋・喉頭挙上筋など多くの筋肉が連携して働きます。早口言葉はこれらを短時間で一気に動かすため、効率よく刺激できるのが特徴。医療介護の現場で定番の「パタカラ体操」も同じ原理を利用していますが、リズムと言葉遊びを加えることで利用者さんのモチベーションがさらに高まります。

鍛えられる5つのポイントと主なメリット

  • 唇まわり(口輪筋)
    破裂音「パ・バ」で唇を強く閉じ開き ➔ 食べこぼし減・発音明瞭
  • 舌先・舌中央(舌筋)
    「タ・ラ」で舌が前後左右に細かく動く ➔ 食塊をまとめ喉へ送る力UP
  • 頬(頬筋)
    テンポよい発声で頬内側が伸縮 ➔ 咀嚼効率向上・表情豊か
  • 軟口蓋
    「カ・ガ」で口腔と鼻腔を瞬時に切替 ➔ 鼻への逆流防止・声質改善
  • 喉頭挙上筋群
    リズムに合わせ喉頭が上下運動 ➔ 誤嚥リスク低減・むせ込み減少
諫早 早口言葉 介護

まとめて得られる三大効果

  1. 誤嚥予防
  2. コミュニケーション力向上
  3. 楽しく継続できる

音別おすすめ早口トレーニング

例文主な狙い
パ行パパパンダ、ママパンダ
ジジパンダ、ババパンダ
唇の弾力強化
タ行裏の竹垣に誰竹立てかけた舌先&頬の連携
カ行隣の客はよく柿食う客だ舌奥と軟口蓋のダイナミック運動
ラ行裏庭には二羽、庭には二羽鶏がいる舌全体のスピードアップ

手順

  1. 「パ・タ・カ・ラ」を1音ずつゆっくり5回
  2. 表のフレーズを30秒ずつ発声(速さより“大きな口・はっきり発音”を意識)
諫早 早口言葉 パンダ

1回5分! 安全ルーティン

  1. ウォームアップ(1分)
    深呼吸 → 頬ふくらませ5秒 → 舌出し回し5秒
  2. 早口トレ(3分)
    フレーズ2種を各30秒×3セット
  3. クールダウン(1分)
    軽く咳払い → 首ストレッチ → 少量の水分補給

目安は1日2セット(例:朝食前・おやつ前)。食前に行うと飲み込みがスムーズになり、食後の咳込みも減ります。

無理をしないためのチェックポイント

  • 発声中に息切れや胸苦しさを感じたら即中止し深呼吸
  • 入れ歯装着で痛みがあるときは外して実施し後日調整
  • 口腔乾燥が強い人は開始前に保湿ジェルやうがいで潤す

続けるコツとレクリエーション活用法

  • 大きな文字カードをくじ引き方式で読み上げ、自然に回数増
  • タイマーで「1分チャレンジ」すると集中力UP
  • 視覚に不安がある方は介護者がリズムを取り朗読し追唱してもらう
  • 季節行事や流行語を盛り込んだオリジナル早口言葉で飽き防止

よくある質問 Q&A

Q. どれくらいで効果を感じる?
A. 週4回ペースで2週間ほど続けると「むせが減った」「声が通る」などの変化を感じる方が多いです。

Q. 入れ歯は外すべき?
A. 基本は装着したままのほうが実際の嚥下動作に近く効果的。ただし痛みがあれば外して構いません。

Q. 声が出にくい方でも取り組めますか?
A. はい。発声の大きさよりも「口・舌・頬を大きく動かす」ことが目的なので、ささやき声や口パクでも十分に効果があります。呼気が弱い方は、まず口をしっかり開閉する練習から始め、慣れてきたら小さな声を添えるように段階的に進めてください。
Q. 練習は一人でも安全にできますか?
A. 基本的には介護者の見守り下で行うのが安心です。特に嚥下障害がある方は、力み過ぎて息苦しくなったり、喉が乾いてむせることがあります。もし一人で実施する場合は「鏡の前で口の動きを確認」「苦しくなったらすぐ中断」「近くに水分を用意」の3点を徹底しましょう。季節ワードを入れると楽しく続きます。

まとめ

早口言葉は唇から喉までをまとめて鍛えられる万能エクササイズ。1回5分、1日2セットでも誤嚥予防やコミュニケーション改善に大きく貢献します。笑いながら続けられるので、介護の合間にぜひ取り入れてみてください。

嚥下に不安がある方や毎日の口腔ケアでお困りの方は、諫早駅前歯科までお気軽にご相談ください。私たちは利用者さんの「食べる喜び」と笑顔を守るお手伝いをしています。

長崎県諫早市永昌東町16-28 2階
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